Absalon – さらってほしいポイント
平成15年1月25日
明石4年 獅子谷 卓
1. はじめに
本稿ではAbsalonについて、どこに注意してさらって欲しいかということを中心に述べています。また追加の曲目解説(引用)について掲載しています。
残り2回の3部練[*1]ではどちらも Absalonを行う予定ですが、かなり長い期間が開きます。しっかりさらっておいてください。
2. 概説
お願いしたいことは次のようなことです。
まず、楽譜通りに、丁寧にさらい直してみてください。他の曲よりも、早いパッセージが少ないという意味では簡単だと思います。ですからその分、他の曲よりも1つ1つの音をきっちり解釈して吹いてください。アクセントやスタッカート、テヌートを丁寧に読んで、他のパートとのつながりも踏まえてどう吹くべきか?ということも考えてください。
最も大事なことは、「スラーがどの音からどの音にかかっているのか?」を注意してください。たとえば一小節の間に8分音符が8つ並んでいたとして、スラーが「小節全体にかかっているとき」と「2つづつくくってあるとき」では、吹き方(bowing)が異なるはずです。
次に、曲の流れをつかんでください。曲の全体を通して同じ旋律を何度も提示しています。どうつながるか、つなげるべきか。考えてみてください。また、他のパートの動きについても理解してください。自分のパートと他のパートでは、cresc.やdecresc., dim.のかけ方が異なる場所がいくつかあります。また、自分の動きが曲の中でどんな意味をしているか、考えてみてください。
そして、曲の背景について、自分で調べてみてください。背景を知ることで、どのように曲を展開していくべきか、想像してみてください。
デモCDには2種類の音源を収録しました[*2]。この2つの演奏の解釈の違いを考えてみるのも1つです。また、できるだけスコアを参照するなり、用意してください。出版社のwebサイト[*3]から無償で入手できますし、指揮者から借りて読んでください。自分のパートには書いていない(かもしれない)、発想記号の指示から、「この音はどう吹くべきか?」も、同時に考えてみてください。
[*1] 3/8 神戸, 3/15 奈良. その後は 3/26-28合宿, 3/29本番
[*2] 国内盤(BRAIN OMSB-2807), および海外盤(BERIATO)から。
[*3] http://www.beriato.com/
3. CDの解説から
Absalonの収録された国内盤[*4]のジャケットには日本語の曲解説が収録されています。これをそのまま引用しておきますので、活用してみてください。
[*4] NEW WIND REPERTORY 2002 (BRAIN OMSB-2807)
ベルギーの作曲家ベルト・アッペルモントが作曲したこの「アブサロン」は、12世紀にデンマークのコペンハーゲンを開拓して港とした人の名で、その後この港は、デンマーク語の”キオプマン(商人)”と”ハウン(港)”という言葉をつなげて”キオプマンハウン(商港)”と呼ばれるようになりました。現在のデンマーク語では、”ケーベンハウン”と言いますが、外国人は英語化した”コペンハーゲン”と呼んでいます。
この曲はそうしたコペンハーゲンの発展を表す歴史のようにいくつかの部分に分かれたダイナミックな曲で、壮大なエンディングを持っています。
曲は低音楽器の4度の和音の吹きのばしで開始され、木管が古代ローマを表現する映画音楽風な主題をゆっくり奏します。これが次第に盛り上がって、2/2拍子の速い第一の主部に入ります。ここでは4度音程のホルンが主題を奏し、これが高まってトランペットとホルンによる主要主題を導き出します。この活発な主題はトロンボーンやサックスで繰り返されます。次にこの主題の変形がクラリネットとユーフォニウムで奏せられ、転調してもう一度トロンボーンを中心に奏せられてクライマックスを作ります。そのあと少しテンポを緩めて、第2の主部に入ります。ここは静かなムードで、木管の低音が歌い、オーボエでも繰り返されます。次に第一部の主要主題がトロンボーンで繰り返されますが、伴奏の形は新しく変わっています。この頂点で少しテンポを緩め、導入部の古代ローマ風な主題が全金管でコラール風に奏せられ、木管が飾ります。
曲はさらにテンポを緩め、第三部に入ります。ここでクラリネットが新しいレガートな旋律を提示し、ホルンやサックスで繰り返されます。これが高まってコーダに入り、金管が高らかにこの第三部の主題を歌い上げ、木管が輝かしく飾り、最後のファンファーレ風なクライマックスへと高まり曲を閉じます。
アメリカのオリジナル曲とは一味違う面白い曲です。グレードは4〜5で、ベルギーのベリアト・ミュージックの2001年の出版です。
この曲はベルギーの作曲家、ヤン・ヴァンデルローストに捧げられました。
4. 最後に
出版社のwebサイトにあるAbsalonのデモmp3も、なるべく聞いておいてください。Absalonの発音がわかります。
具体的なピンポイントはここで書いていないし、特に指示していないのですが、やっぱりよくわからないなどありましたら、遠慮なく直接聞いてください。
このサイトは、明石高専OBの"ししたに"によるファンサイトです。あくまでファンサイトであって、詳しいことは知りません。 追加/訂正/削除/情報提供はお気軽に、shishichaniあっとまーくgmail.comまで、お寄せください。原則として、リンク・引用フリーです。 |
|